拝啓 素麺様

拝啓 素麺様

あの二十数年前の夏の日

食卓に出された、あなた様を見ては尋常ではなく落胆したのを覚えております。

それはもう、映画アルマゲドンで隕石が地球にあたり終了するかの如く絶望しておりました。

淡白な味のない麺をツユ汁につけて、どないせいゆうねん!

なんぼ食べてもお腹いっぱいになんかならへんわ。

成長期やぞ!肉だせ!肉!!!!肉食わせェ~ってな具合の荒れっぷりをおくびにも出さず・・・

少しでも、でできたものなら昭和の父上、母上なので、教育という名のもとの

殴る蹴る愛のスキンシップが発動するのでした。

挙句には、逆ギレであなた様すら食べさせてもらえないような仕打ちをうけ

成長期やぞエサ食わせ!と嘆いたのを覚えております。

今では、虐待だ!って世間がうるさいのですが私たちの世代は、どこの親もアグレッシブルに

殴る蹴る愛のスキンシップを頻繁に発動していたので、世間様も寛大であったのではないでしょうか。

その後、あなた様には見向きもせず、素麺定食なるものを見かけてはバカにしてきましたが

あれから、二十数年の年月は流れました。

素麺様すみません。

私は、あなた様の美味しさをわからないお子様でした。

キメの細かいボディで、疲れた体でも、喉越し爽やかにチュルチュルと食べれ、お腹いっぱいになっても

すぐに消化されるあなた様は

まさに、中年のソールフード!!!

夏場に、あなた様がいないことによる中年の心の嘆きなど考えられません。

冬になれば、鍋という強敵に虐げられ、活躍の場は減ることかと思われますが、あなた様は

夏メニューNo1の偉大なお方であることは間違いありません。

あえて、ご意見させていただけるのならば、あなた様は栄養の割に少々お値段がお高いようです。

化粧箱に入っておられるあなた様は、中年の財布に致命的なダメージを与えられるお値段になっております。

あと、もう少しお値段を安くしていただき、日持ちしていただければ幸いです。

敬具

PS

最近、夏場に残った素麺でアレンジレシピなるものを多数見かけますが、あれはあなた様に対する冒とくであると感じております。

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